すべて手作業で作られた抗菌性に優れた箸
石川 県-中部
地域
伝統のある素朴な街並み
石川県輪島市は、日本海に突き出た能登半島の最北端に位置する小さな町です。人里離れた場所にありながら、その素朴な魅力に惹かれて毎年多くの観光客が訪れています。
輪島で最も有名な観光スポットは、1000年以上の歴史を持つ朝市です。毎日午前8時から正午まで(正月三が日と第2・4水曜日を除く)開かれています。全長360mの通りには、海産物、野菜、果物、輪島塗など200軒以上の露店が並び、活気に満ちています。
また、輪島は伝統的なお祭りが盛んなことでも知られています。輪島大祭は、毎年8月22日から25日にかけて行われる4つの祭りで、最も大きく、活気あふれる祭りです。この祭りでは、高さ4~5メートルの長方形の大きな切子灯籠が町中を練り歩きます。輪島キリコ美術館では、巨大な切子灯籠の実物を見ることができます。
輪島から10kmほど離れた海岸線には、千枚田の棚田が広がっています。「千枚田」とは1000枚の田んぼのことですが、実際には1004枚の田んぼがあるそうです。美しい棚田は現在も耕作されており、収穫されたお米は棚田の隣にある売店で販売されています。
歴史
現代的でありながら伝統的
弊社、橋本幸作漆器店は、輪島塗発祥の地である輪島で1949年に創業した漆器箸の専門メーカーです。輪島塗の正確な起源は解明されていませんが、1476年にはすでに輪島で漆職人が活躍していたことが分かっています。
日本屈指の漆器である輪島塗は、その耐久性と美しい仕上げで有名です。しかし現在、特に若い世代を中心に、漆器は「おしゃれではない」「値段が安い」「扱いにくい」というイメージが定着してしまっているようです。
このような背景から、2021年、私たちは漆器をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、新ブランド「十八膳」を立ち上げました。
ブランド名の「十八膳」は、日本語の「おはこ」という表現と、お箸の数え方を組み合わせたものです。「おはこ」は「十八番」と書き、自分の得意分野を意味します。この表現は、歌舞伎に由来すると言われています。昔、歌舞伎役者が自分たちの得意とする十八の演目を選び、その台本を箱に入れて保管していたのが「おはこ」です。その結果、十八番は「おはこ」と読まれるようになり、その人が最も得意とするものを指すようになりました。また、「膳」は箸の数え方です。この2つの言葉を組み合わせることで、私たちの最高の漆塗りの技術を駆使して、素晴らしい箸を作りたいという思いが込められています。
特徴
抗菌性のある木材と耐久性のある漆を使用。
輪島のある能登地方に自生する針葉樹の一種である能登ヒバは、私たちが唯一使用する木材です。これにより、健全な森林の維持に貢献できると考えています。
能登ヒバを使うもうひとつの理由は、その耐久性です。能登ヒバには、細菌やカビの繁殖を抑える効果のある抗菌性天然成分「ヒノキチオール」が多く含まれています。そのため、能登ヒバは腐敗や湿気に強く、他の木材に比べて丈夫なのです。
漆には食中毒を防ぐウルシオールという物質が含まれています。また、漆は熱や水、腐敗に強いという特徴もあります。このような理由から、漆塗りは木製食器、特に箸の仕上げとして最適なのです。
輪島塗は漆を何層にも重ねる必要がありますが、これには天然漆しか使っていません。箸の先端には、食べ物が滑りにくいように特殊な質感の漆を塗布しています。また、漆を塗ることで丈夫になり、長持ちします。
漆で肌が荒れるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは生漆の場合だけです。漆は生乾きなので、安心してお使いいただけます。
お客様へ
すべての人に安全なお箸を
現代は、ライフスタイルや嗜好が多様化しています。十八膳では、現代的な5色の塗り箸を十八シリーズ作りました。これだけのバリエーションがあれば、誰もがお気に入りの一膳を見つけることができるのではないでしょうか。
お箸は食べ物や口に直接触れるものなので、品質にもこだわっています。そこで、100%天然素材である能登ヒバと天然漆という、体に安全なものだけを使用しています。
お手入れは、手洗いして柔らかい布で拭き取るだけと、とても簡単です。漆器は、食器洗浄機や電子レンジには使えませんのでご注意ください。食器洗い機や電子レンジに入れると、箸が傷つき、耐用年数が短くなる可能性があります。
私たちの手作りの漆塗りのお箸が、あなたの毎日の食卓に加わりますように。