600年の刃物の歴史のある堺で、持続可能な堺打刃物を目指す
大阪府-近畿
地域
天皇領のある商人の街
大阪湾に面した港町・堺は、かつて世界中からたくさんの人・物・文化が集まる交易都市として栄えました。
このような背景から、中世の日本において堺は自由な自治都市として発展し、さまざまな伝統産業が確立しました。
また、堺は天皇のお墓だと言われる鍵穴型の古墳があることでも有名で、2019年にユネスコの世界遺産に登録されたことでも知られています。その中でも最も大きい仁徳天皇陵は5世紀に築造されたと言われ、堺の観光ハイライトの一つになっています。
堺市は現在、大阪府で第2番の規模を誇る都市になっています。
歴史
600年の歴史に裏付けられた100年続く事業
高橋楠は、600年以上に渡る刃物製造の歴史を誇る堺市に、1917年に刃物の製造・卸売業として創業しました。
堺の刃物産業が特に発展したのは、16世紀のことでした。ポルトガルからタバコが伝来すると堺でタバコの葉を切り刻む鋭い刃物が製造されるようになり、その品質の高さから江戸幕府の専売品となったのです。
高橋楠では100年以上に渡り、職人の技が光る和包丁を提供しています。
また、関(岐阜)、武生(福井)、燕三条(新潟)など洋包丁で有名な各産地のメーカーと提携し、洋包丁の製造も手がけております。
2020年、4代目の社長に高橋佑典が就任し、高橋楠の新しい時代が始まりました。
特徴的な
片刃で打刃物の包丁
堺の包丁には、「片刃」であること「打刃物」であることの2つの特徴があります。
片刃の包丁は両刃の洋包丁とは違い、刃の片側だけが鋭角になっています。
片刃の包丁は切れ味が鋭いので、食材の味や風味を損なうことなく美しく滑らかに切ることができます。また、切った食材が刃に付着することも少なく、洋包丁に比べるとより簡単により早く切ることができます。
打刃物とは、炭素鋼と鉄を組み合わせた金属を加熱し、ハンマーなどの道具で何度も叩く技法で作った包丁を指します。その工程は10以上もあり、各工程ともかなりの時間を必要とします。
金属はこの過程で何度も加熱、叩き延ばし、冷却されることで密度を高め、硬さと粘りを増していきます。そのため、打刃物は丈夫で耐久性があり、刃が欠けることもほとんどありません。
このような理由から、堺の包丁は国内のプロ料理人90%以上に愛用されています。
お客様へ
こだわりのある使いやすい和包丁
1917年の創業以来、高橋楠は品質の高いたくさんの和包丁を和食界に送り出してきました。
堺の包丁は大きく分けて3つの工程に分かれており、それぞれの工程を専門の職人が担当しています。職人それぞれの技をつなぎ、一本一本丁寧に仕上げることが私たちの使命です。
世界の多くのお客さまに使っていただくことを、私たちは願っています。そして、堺の刃物産業を持続可能なビジネスに変貌させることを目指しています。
その目標に向け、これからも使いやすい和包丁の製造に励んでいく所存です。